本感想

ニヤニヤ不可避漫画『塩田先生と雨井ちゃん』感想

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短い漫画が読みたい。
というか、長い漫画を読む気力が無い。
そんなことを以前の記事で書きました。
今回扱う塩田先生と雨井ちゃんはこんな私の億劫な要望にもピッタリだった一冊でありました。
著者はなかとかくみこ先生。
web上で公開していた漫画が好評を集め、こうして一冊の本としてまとめられた物らしいです。

お話は超単純
女子高生高校教師ラブコメディ
まぁあの‥‥教師が生徒に手を出すってどうなのという倫理は脇に置いときましょう。
そういうのを問うような漫画ではありませんから。
女子高生の雨井ちゃんは古典教師の塩田先生とお付き合いをしています。
当たり前だけど二人の関係は学校の皆には秘密。
さらに塩田先生は紳士なので未だ二人の関係は一線を踏み越えてはいません。
精々がキス止まり。
その上「夜道は危険だから」などと宣ってはデートに出かけても日没前に雨井ちゃんを帰宅させます。
雨井ちゃんとしてはもっと大人なお付き合いがしたいようで時折そんな不満を塩田先生にぶつけるのですが、そんなしょうもないやり取りを見ているだけで妙に癒される
そんな漫画です。

下手な例えだけれど‥‥
スーパーで良く売られてるアイスの「ピノ」とか「雪見だいふく」のファミリーボックスみたい。
一個一個小分けで入っていて食べたいときにちょこっとだけ食べられる。
この漫画も1話が10P~20P程度の小話が沢山入っている感じ。
それぞれの話は登場人物こそ同じだけれど繋がりは殆ど無く、何処から読んでも違和感は特に無いと思う。
読みたいときに読みたい部分だけペラペラっと読めちゃう気軽な感じ。
クスッと笑えたりニヤニヤできるシーンも随所にバランス良く入っている。

絵は80年代ぐらいの少女漫画っぽい雰囲気は少し感じる。
とくに塩田先生を始めとした男性キャラクターの頭身バランスというか、肩幅というか、ナナメ顔の輪郭の感じとか‥‥。
あと雨井ちゃんのクラスメイトの三つ編みメガネっ子は‥‥ザ・昭和感。
でも私のようなオッサンが読む分にはそれがノスタルジック感をプラスしてちょうど良いというか。
雨井ちゃんはメチャメチャかわいい
今の絵柄の流行の中でも通用するかわいさです。
制服が襟なしのブレザーでパッと見が幼稚園児のスモックみたいにも見えるのが余計にかわいい
雨井ちゃんのキャラデザだけを見るとクールっぽい子に見えなくもないのですが、思いの外に喜怒哀楽の表情がコロコロ変わる様がギャップ萌えです。

Amazonで著者名で検索すると何故か眉月じゅん先生の『恋は雨上がりのように』が出てきたのですが、別人ですよね?
絵の雰囲気は確かに少し似ているかもしれませんが。
ヒロインも両作ともツリ目前髪パッツンだし。
でも雨井ちゃんの方が橘さんより感情を素直に出す感じ。
多分二人が出会えば良い友達になれそう、歳の差恋愛という共通の話題もあるし。

話を本作に戻しましょう。
個人的に一番好きな収録話は4話目恋と変
雨井ちゃんが塩田先生の髪の毛をおぞましい勢いで引っこ抜くというハゲに厳しい話。
たった18ページの中に雨井ちゃんの可愛さや二人の微笑ましいやり取りも多分に含まれており、その上ギャグもキレッキレで本作の魅力が全て凝縮されているような。
雨井ちゃんのような、相方がハゲたり太ったりと落ちぶれた見た目になっても変わらず愛してくれるような女性ってのはフィクションですよね、知ってます。
あー、でも理想だー!
そんな女の子が良いよなぁー!
水着回を見る限り将来有望そうな胸部までお持ちの様ですし!
どうでもいいですが読んでいて森高千里の「私がオバさんになっても」が脳内を流れました。
エピローグでもそんな話がちょろっと出てきますしね。
いうなればこの4話は「ワイがオッサンになっても」って感じでしょうか。

一つ懸念を上げるなれば、一体この漫画はどういった層が消費しているのだろうという事。
私のような現実のうだつの上がらなさから過去を回顧するぐらいしか能の無いキモいおっさんばかりが読んでニヤニヤしてたとしたらだなぁ‥‥。
ほんと嫌だなぁ!
願わくば女子高生が読んでいてくれればなぁ!
そしたら私は女子高生と同じコンテンツを消費しているというメタ的な楽しみを得られるからね!
でもオッサンかオバサンが読んでニヤついてるんだろうなぁ‥‥
‥‥嫌だなぁッ!!

書き終えてから知ったが続刊が出ているらしいよ。

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