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綺麗な映画『言の葉の庭』感想

投稿日:2017年3月9日 更新日:

またしてもアニメ映画の感想です。
現在進行形でその名を轟かす新海誠監督の前作『言の葉の庭』を今更ながら鑑賞いたしました。
ちなみに『君の名は。』は観てません。
『君の名は。』は観てません!
観てませんッ!!
もちろん公開当時から興味はあったんですけど、なんか観に行けませんでしたぁ‥‥
たぶん高校生カップルでごった返しているかもしれない劇場にピンで乗り込みたくなかったんだと思います。
見知らぬ親子に囲まれながらプリキュア映画観る方がまだハードルが低いよね‥‥ねっ?
というわけで自分が観たことのある新海作品は本作品と『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』になります。
『星を追う子ども』もいつか、そのうち観たいとは思います。

さて本題、『言の葉の庭』の感想です。
あらすじは公式サイトやwikiで確認してもらうとして――
まず始めに新海誠作品では言わずもがなですが絵、ため息が出るほど綺麗です。
朝のラッシュで込み合う新宿駅のホーム。
降りしきる雨に煙る高層ビル群や路面で跳ねる雨粒。
緑で溢れる御苑の風景、登場人物それぞれの家庭や私室のインテリア一つ一つまで。
微に入り細を穿つ背景作画は流石と言う他ありません。
今作は人物の作画も特徴的で、エッジの部分に細かく環境光の映り込みが入っており、精密な背景ともすごく馴染んでいます。
アクションとかは特に無いので派手さがある作画では無いですが、ノートに文字を描くだとか階段を駆け下りるといった日常芝居のリアリティがしっかりある作画で物語への没入をより一層増していると思います。
絵的には誰も文句のつけようは無いでしょう、100点満点!

ではストーリーはどうか。
好きな人は凄い好きだろうけど、退屈に感じる人は途中で欠伸が出てもおかしくない感じだなぁと思います。
言ってしまえば大した話じゃないんですよ、上映時間40分だしね!
とある男子学生がミステリアスな女教師と出会って互いに交流を深める内に男子学生は女教師に惹かれていき彼女のことをより良く知りたいと思い始めたところでひょんなことから彼女の抱える問題を知り‥‥って書いてたらこれ夏目漱石の『こころ』みたいですね。
つまりは文学的な、人間の内面についての話なので興味のない人にとってはとことん興味が出ないタイプの作品かなぁと思います。
個人的にはストーリー的には可もなく不可も無くといった感想です。
どっかで見たことあるような普遍的なストーリーって感じです。
大きなイベントも特に無いので綺麗な画面をボケーっと観てる内にエンドロールが流れてきて「あっ‥‥終わった‥‥」みたいな感じ。
クライマックスの階段でのシーンも大仰な劇伴で盛り上げていますが‥‥正直観客を置いていって勝手に何かやってるわー感ある。
このシーンまでの間に登場人物に感情移入できていればさぞ感動できるのでしょうが、せいぜい30分の間にどう感情移入しろと。しかも対して掘り下げてくれない。
何も登場人物の幼少期から丁寧に描けなんてことは言ってないです。
そんな長ったらしく入れられたら余計冗長になってそれこそ寝ちゃいますよ。
しかしせめて雪野先生が学校でどういう風に迫害されて登校拒否になったのかという描写は絶対必要な気がします。
なんか主人公の女友達がセリフでサラっと説明してましたが、そんな三行半で説明せず見せてくれないと。
この手の物語は観客にいかに登場人物に興味を持ってもらうかが大事だと思いますし、前述の『こころ』は小説という形態でじっくりと描いているから主人公と同じ心境で先生のミステリアスさに引き込まれますし、お嬢さんやKとの過去もみっちり説明されてるから読者が納得のいくストーリーになっているんです。
もう5分ないし10分でも尺を足して雪野先生に対するいじめの描写を補強した方がクライマックスでちゃんと泣ける物語になっただろうし、主人公が不良グループに仕返しに行くシーンも盛り上がったんじゃないかなぁと思います。

ストーリーの大枠に関してはぶっちゃけ好みの問題ですね、青臭くて観てらんないって人もいるでしょうし、そもそも学生の好きだ嫌いだといった恋愛話に興味が持てないって人もいるでしょう。
個人的にはそんな悪くないなと思いますが、再視聴したくなるかと言われると微妙。
鑑賞後に心に残る物が余りないってのが正直なところでした。
今作の肉抜きしまくったミニ四駆のようなシンプルなストーリーからの反発なのか最新作『君の名は。』はラーメン次郎の野菜マシマシ並みに派手なストーリーらしいのでディスクが発売する時に向けて期待感だけ蓄えておこうと思います。

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